弦楽器の歴史・特別研修プログラムのお知らせ④

今回のプログラムで予定されている訪問地を★印で地図上に記してみました。

その中でも、もっとも当初より私たちにとって関心が高かったのは、ボローニャ〜モデナになります。

音楽史的な面での解説は山本徹先生にお願いしたいと思いますが、楽器製作の面からお話させていただくと、ボローニャは1660年ごろに今で言うところのチェロという楽器が生まれたのではないかと考えられています。

それ以前にももちろん様々な大きさの低音楽器はあり、現代のチェロに近いサイズのものもないわけではなかったのですが、調弦や用いられ方など様々な面から果たしてチェロと呼んでよいかどうかということには常に?マークがつきまといます。

ではなぜその頃にチェロが生まれたとされたと考えられているかということですが、おそらくはその頃にガット弦に銀線を巻くことで比重を高くし、弦を細くする巻線の技術が開発され、それにより一気に現代のチェロに近い楽器が作られ始めたのではないかと考えられているからです。そして、その誕生の地がボローニャ辺りで、ボローニャとモデナには当時の名演奏家・作曲家が行き来していたことが知られています。

また、当時芸術の庇護者であったエステ家という貴族がモデナにあったことから、今に残る当時の姿をとどめた貴重な楽器群が多く献呈されました。

私たちの旅の大きな目的の一つにそうした当時の姿を現代にまで伝える楽器の姿を博物館に直に観に行き、当時の楽器構造やまたその上に書かれた楽曲に対する理解を深めるということがあります。

バロック・チェリストの山本徹先生と立ち上げたプログラムではありますが、訪問地のモデナのエステ家の博物館(ガレリア・エステンセ)には、ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロが残されており、またその他の様々な楽器もあることから、興味のある方には広くご参加いただける内容となっています。

細かいことはまた旅の中で解説されますが、そうした経緯があり、ボローニャ〜モデナが旅のコアに据えられたことをまずは知っていただければと思いました。

次回は、有名なクレモナの国立製作学校ではなく、パルマ市近郊のノチェトという村にある製作学校訪問のプログラムについて触れたいと思います。