前回の投稿で、プログラムのお知らせを投稿させていただきましたが、この後何回かに分けて、より具体的な内容や、企画の背景について書かせていただこうと思います。
まずは、どのような経緯でこのプログラムが立ち上がったかということについてふれてみたいと思います。
古楽演奏、ガット弦、当時の洋式に則った演奏などは、20C半ばからの50年近いリバイバルの歳月を経て、かなり受容された趣があります。
もちろん、古楽やピリオド(特定の時代における)楽器による演奏や、ガット弦について、まだまだ馴染みのない方々もいらっしゃるのは事実ですが、かつてを知る方々からは、ずいぶんと受容され、クラシックと古楽の境目も薄れた印象を持たれている方も少なくないものと思います。
しかし、その一方で受容と広がりが、音楽や楽器への理解と比例するものではないという課題は常に残されていました。
特に楽器製作者の観点からは、バロック演奏やピリオド演奏と名打ちながら、なかなか当時の仕様と言える楽器が供給できていない現状や、そもそものバロック仕様への理解が演奏家と製作家双方の間で進んでいないことを課題と感じていました。
特にチェロは、ヴァイオリン族(ヴィオラ族と呼ぶべきでしょうか?)の楽器の中ではバロック時代の比較的後半に巻線の出現とともに現れ、100年弱の間に急速な広まりと、変化を体現したため、今日の皆さんが思われる以上に「これがバロック・チェロです」と言い切れるようなものがないほどに多様であったことが知られてきています。また、ほとんど常に変化し続けたものであることから、トップの演奏家や製作家でさえ、何を持ってバロック・チェロと呼べるかということは未だ議論が絶えません。
山本徹先生とは、そうした楽器製作側の課題と、バロック演奏家の情熱と探究心から、当時の姿をぜひ探求してみましょうという点で一致したものです。
また、バロック音楽やガット弦の響きにより多くの方に興味を持っていただけるようにということから、国際研修親善協会さんのご助力を得て、前掲のプログラムが企画されました。
では、プログラムを通してどのようなことに触れることができるのか、また見聞を深められのか、次の投稿でもう少し詳しくご説明させていただこうと思います。
