20年ほど前から、ガット弦についていつか勉強したいと考え、手当たり次第に資料を集め、いくつかは目を通してきました。
が、残念なことにもともと手仕事が好きでこの世界に入ったので、資料を読んでも頭に入ってくることは少なく、むしろ読めば読むほどに実像はボヤけ、混乱も増えるばかりでした。
私のように弦楽器の技術者の中には、ガット弦について知りたいと思いつつも、なかなかできてこなかった人も多いのではないかと思います。
7月に日本でセミナーを開いてくれるガット弦エキスパートのDanielaには共通の友人を通じて昨年知り合ったのですが、資料を見返してみると、すでに何年も前に彼女の関わった仕事からも勉強をさせてもらっていたことを今更ながら知りました。
Danilaのように歴史的な研究だけでなく、実際の弦作りを何年もやったことがありつつ、なおかつ弦メーカーではないある意味中立的な立場から実情を語ってくれる人は本当に少ないので、とても楽しみにしています。
乏しい語学力では資料から読み取りきれないことも、直接語ってもらうことで生き生きと想像できるだろうと期待しています。
そして、演奏家の方々に、また一つ新たな選択肢を提供できる知識を、セミナーに参加される皆さんと一緒に共有したいと思います。
ガット弦セミナー