2018ガット弦セミナー無事開催できました!

7/11(水)に春から企画・運営をしてきたガット弦セミナーを無事に終えることができました。今回は広告費をいっさいかけずに準備したにもかかわらず、50人もの熱心な方々に多く参加いただき、盛況のうちに終えることができたことを感謝しています。

当日は通訳も務めさせていただきましたが、力不足で十分に伝えることができない点もあり、今後も講師を務めてくれたDaniela とは連絡をとりながら、ガット弦の情報を日本語でこちらで紹介をしていきたいと思います。

セミナー中に気づいて、驚いたことの一つに、ガット弦の製造工程の一部である磨き・研磨の作業の中に2つの「馬のしっぽ」が使われてきたということです。私も通訳をしながら混乱してしまい、何度もDanielaに聞き返してしまったのですが、種明かしをするという次のようなことでした。

いくつもの工程を経て、きれいになったガットが何度も撚りと乾燥を繰り返しながら求める弦の形になった後に、それを研磨する工程が待っているわけですが、この時、弦にまだ湿り気があるうちに、文字通り「馬の毛」で弦を磨きます。

その後に、弦が乾いてから今度はイタリアに自生するスギナ(土筆が育って大きくなった状態の野草)の一種であるトクサ(砥草)equisetoで磨くのです。が、このトクサが俗名で「coda di cavallo (馬の尻尾)」と呼ばれており、こちらの方は楽器の仕上げ磨きにも使われるので、私の方がどちらのことを言っているのかわからず混乱してしまったのです。通訳をしながら、どちらのことかと何度もDaniela に訊いてしまいました(笑)

どちらも研磨に用いられるという性質からすると、もしかするとequiseto の俗名であるcoda di cavallo は、もう一つの研磨素材であった馬の尻尾に本当に由来するのかもしれません。

ネットでイタリアサイトを検索してみても、どうやらEquisetoにはいろいろな種類があると思われますが、皆さんがスギナと言って想像する日本でよく見られるものよりは、イタリアのクレモナなどで見かけるそれは丈が大きく、まるで馬の尻尾のように実際にふさふさしているので私は単にその形からそういう俗名が与えられたのかと思っていました(イタリア人の友人からも昔そういう説明を受けたということもあります)が、案外それだけではないのかもしれません。

このあたりのことはどちらかと言えば余談なのですが、もちろんセミナーではもっと本質的な部分でたくさんの示唆に富むことをDaniela からは教えてもらうことができました。

またおいおいこちらでも紹介をしていきたいと思いますが、弦楽器作りを考える上で、ガット弦への理解は本質的に大切なことであるということを感じた1日であり、快く招待に応じてくれたDanielaには改めて心から感謝しています。

今年は、6月に台湾から呂元富先生を、7月にイタリアからDaniela Gaidano先生を招くことができたので、もうセミナーはよしとします。

ここから先は来年に向けて自分の製作活動に専念します!