島根朋史先生出版記念コンサート♪

Today I went to a concert hold by baroque musican Shimane Tomofumi who played not only cello but also bass and treble gamba.
I was really felt and fascinated by his delicate and warm voice.
This concert was hold for memorial of his whole Japanese translation of “Essai sur le doigté du violoncelle et sur la conduite de l’archet”(1806).

今日は昭和音大のユリホールへ、島根朋史先生のコンサートを聴きに行ってきました。

島根先生の大仕事、ジャン=ルイ・デュポールの『チェロの運指および運弓に関する試論』の全訳出版の記念コンサートでした。
翻訳も難しいお仕事だったと思いますが、コンサートのソロもアンサンブルも素晴らしく、感動しました。


会場では同じ製作家の大塚紀夫さんや、井上樹さんにもお会いすることができ、充実の時間でした。
仕事が立て込んでいて、直前までバタバタしていましたが、行くことができて本当によかったです♪

私自身はどちらかというとバロックに焦点を当てて近年仕事をしていますが、バロックの姿を明らかにするためにも、古典派やバロックから古典派への移行期としてギャラント期と呼ばれる頃のことを知ることは有益だと感じています。

たとえば今回発刊された本の中で島根先生も取り上げられておられますが、ベートーヴェンの時期にも先細のいわゆるバロック弓がまだまだ使われていたことをデューポールも示唆しており、時代というものがグラデーションを描いて変化していくことを改めて考えさせられています。

詳しくは本書を手にとっていただければと思いますが、ポルタメント技法に関する歴史的な認識もおもしろく、楽器や弓だけでなく演奏技法もおそらくグラデーションを描いて徐々に変化していったことを窺い知ることができるように思います。

島根先生の本コンサートでの演奏も大変示唆に富むものでしたが、今年はさらにご関係のあったアンナー・ビルスマ先生を偲んだバッハのチェロ無伴奏組曲全曲演奏なども予定されているということで、今後のご活動もまた楽しみにさせていただこうと思います。