京都への納品

Last month I delivered my nineth violoncello da spalla in Kyoto city to amateur violinist Mr.Kimura.
Thank you Nishimura Violins to letting me use your space!
How wonderful to hear peaceful voice of cello da spalla in a old town like Kyoto city!
Thank you!!

報告が遅くなってしまいましたが、先月は、京都はにしむらバイオリン
@nishimuraviolins の場所をお借りして、アマチュア・ヴァイオリニストの木村さまに無事肩掛けチェロを納めさせていただきました。

木村さまはシギスヴァルト・クイケンさんと寺神戸亮さんらの演奏にかつて接して、肩掛けチェロ(ヴィオロンチェロ・ダ・スパッラ、略称スパッラ)を弾いてみたいと思われたということでした。どこで楽器を手に入れたらよいのか探す中で当工房を見つけてくださいました。

納品に際して、弦に関するご質問をいただいたことが、きっと皆さまにもご参考になるのではないかと思い、いくつかここに紹介させていただきます。

Q : スパッラのガット弦はどこで買えますか?
A : イタリアのアクイラ・コルデ社などが販売していて、直接注文もできます。当工房の楽器を購入されたお客様には、工房での仕入れのタイミングで必要な弦がないかメールでのお声がけもさせていただきます。

Q : スパッラのガット弦はどれぐらいもちますか?
A : ガットの質や演奏頻度に左右されることが多いため一概に言えませんが、2-3年もつことも珍しくありません。また、切れた場合にすべてをいっぺんに交換する必要はなく、切れた弦のみ交換して使っていただけます。

Q : スパッラのガット弦のお値段は5弦セットでいくらくらいですか?
A : 為替レートにもよりますが、おおよそ28,000円ぐらいでご提供できています。

他にもいろいろなことを説明させていただきましたが、肩掛けチェロの調弦は基本的に現在一般的な大きなチェロと全く同じ音域にチューニングしていただけます。
つまり、下から順に、C(ド)、G(ソ)、D(レ)、A(ラ)となり、さらにもう一弦上にE(ミ)をつけているという構造です。

つまりヴァイオリンとヴィオラのちょうど一オクターブ下の音域をカバーしてあるということなので、ヴィオラはもちろんのこと実はヴァイオリンの曲でも意外と楽しく弾けるものがあるというおもしろい楽器です♪

ある意味ガット弦特有のいろいろな制約を受け入れないといけない面はあるかもしれませんが、ガットならではの音色と、弦が教えてくれる本来の演奏という代えがたい魅力があるので、ぜひスパッラに限らず、多くの方にガット弦に挑戦してみていただきたいなと思っています。

過去のほとんどの偉大な作曲家はプレーン・ガット弦の音色を思い描きながら曲を作ったことを覚えていただければ幸いです。

肩掛けチェロの優しい音色が古都に響き渡る日を楽しみにしております。木村さま、暑い中、本当にありがとうございました!

メンテナンスを快く引き受けて下さったにしむらバイオリンさんにも重ねて感謝申し上げます♪