小田透さんの探究心と

子どもの夏休みのイベントにはさまれ、時間が経ってしまいましたが、今週のはじめには読売日本交響楽団のヴァイオリニスト・小田透さんが工房にお越しくださいました。

小田さんは肩掛けチェロ(スパッラ、ピッコロ・チェロ)にご関心をもって下さったのですが、実は以前はこの楽器について懐疑的だったそうです。しかし、持ち前のバイタリティでいろいろなことを探究をされていく中で、楽器の存在を否定できないということに思い当たり、情報交換を兼ねていらしてくださいました。

最初にご連絡をいただいた時は、モダンのオーケストラの方がなぜと驚いたのですが、実は小田さんはオケの中でも普段からプレーンガットの可能性を追及をされており、またご自身でもバロック音楽のアンサンブルに取り組まれておられることを知りました。

また、かつてはオランダに留学し、古楽に明け暮れたこともあるということで、私の知らなかった多くの方々とのご縁を教えていただきました。

肩掛けチェロとは直接関係はありませんが、小田さんが以前お世話になっていたという府中のドンマイヤー・ヴァイオリン工房の店主・故鈴木さんのお話を沢山聞かせていただき、生前にお会いできなかったことが大変悔やまれました。

多くの演奏家から頼りにされ、支えとなった鈴木さんには及びませんが、演奏家との関係において、お互いにインスピレーションを与え合える存在になれるように私自身も今後も探究を続けていきたいと思います。

ガット弦は、ハイフェッツやオイストラフ、クライスラーなどの一昔前の録音が残る大名人たちの時代にはまだ当たり前の表現の道具でした。その音色に魅せられた交流の時間であったことをうれしく思います。
小田さん、楽しい時間を過ごさせていただき本当にありがとうございました!