YouTube動画のご紹介

アメリカ人のYoutuberであるDavid Lien さんのインタビューを受けた動画が公開されました。

https://youtu.be/O8vxindNt0g?si=EKcWkHoqGy2u5X2I

中学生レベルにも満たないひどい英語での対応となってしまいましたが、少しでも多くの方にまだ知られていない肩掛けチェロを知っていただければと思い、協力させていただきました。

私も無報酬で参加させていただいたプロジェクトでありプロの協力は仰がなかったのですが、その代わり演奏紹介として、プロフェッショナルも驚く素晴らしい演奏をいつも披露して下さっている加我悠さんと、高校生の疋田櫂さんにご協力をいただきました。お二人の協力がなければ伝えられることはきわめて限られていたと思います。この場を借りて感謝いたします。

英語ということもあり、伝えたいことが十分伝えられたかというと、正直なところ不足は多くあります。

特に、現代の楽器製作の慣習に関して亡き恩師から受け継いだ意見を述べている箇所などは往々にして誤解を招きやすい内容で、できればしっかり補足したいのですが、大筋として正直に述べてはいるのでよしとしました。

また、肩掛けチェロには依然として楽器製作をしたことがない一部の音楽史家の半分誤った見解が流布しており、肩掛けチェロを皆さんに知っていただくにあたり、ゼロベースではなく、マイナスからのスタートを余儀なくされている事情もあります。この辺りの誤解については過去のブログで説明をしたこともありますが、一度植え付けられた先入観はなかなか取り除くことができないため、また機会をみて説明してみたいと思います。

いずれにせよ、チェロという楽器は、我々が今日知るものよりもはるかに幅広く、種類の多いヴァイオリン族の低音楽器で、今回取り上げていただいた5弦のスパッラのように5弦のものも決して今ほど珍しいものではなかったと最近の研究が明らかにしています。

また、私は肩掛けチェロが大きな脚に抱えるチェロの代替になるとは考えていません。むしろ肩掛けチェロがることで、失われたテノール音域が充実し、いわゆる大きなチェロの魅力もさらに引き立つものと考えています。

当工房の取り組みは亀の歩みではありますが、今後も少しずつでも当時の楽器や弓を再現することで、今後も古き時代の豊穣な音楽が皆さんの手によって再び楽しめるものとなることを願ってやみません。

最後にこの機会を下さったDavid Lienさんの楽しい活動のために、ぜひご視聴と好評価をいただければ幸いです。