
My aim to make this violin is to go to searching the source of violin family with my client.
We know that in ancient time violin was made all by harmonical proportion and therefor there was a very clear reason where to put the bridge etc.
There are also many interesting structural details which differ from modern violin.
I can’t write down everything here but I want just appriciate to everybody who encouraged me to make this work. Thanks!

バロック・ヴァイオリンに弦を張りました。
今回、ヴァイオリン作りの始祖の1人とも言われるAndrea Amati をベースに起こしたモデルの楽器を作るにあたり、多くの方にお世話になりました。
数少ない資料を集めるために、メトロポリタン博物館の資料を送ってくださったアメリカ在住の @kensuke_akaogi_violin 赤荻さん、本当にありがとうございました。
また、巻線が普及する以前の楽器ということで、弦について多くのアドバイスと、実際の製造を通して、素晴らしい弦を供給してくださった角谷朋紀さんに感謝いたします。

今回、構造の上で初めて取り組んでみたこともいくつかありました。実際に形にしてみないと分からなかったことも多くありましたが、そのことを通して、これまでわからなかった200年に及ぶバロック・ヴァイオリンと呼ばれる楽器の変遷について私なりに光を当てることができたように思います。
またそれにより今後、バロック・ヴァイオリンを作っていく上で、いくつかのヴァリエーションが考えられるようにもなりました。

逆に現在、19世紀のドイツなどの一部の地域で作られていたヴァイオリンにバロック・ヴァイオリンの構造・工法が一部残っていたことから、そうしたヴァイオリンがバロック・ヴァイオリンとして流通しているという問題についても考えさせられました。
すでに弓についてはクラシカル・ボウという区分が認識されているのにも関わらず、楽器の方は、そもそも何がバロック・ヴァイオリンなのか、あるいはそもそもヴァイオリンというものはどのようなコンセプトで生まれたものなのかということが見えにくかったことで、混乱がまだ残っているように思います。
バロックだけでなく、古典期の演奏をピリオド楽器で行いたいというご要望にも今後応えていけるようにその辺りを整理していけたらよいなと思います。
また、必ずしも境界が明確でなく様々な仕様の楽器が混在していた状況も踏まえて、根っこはありつつも自由に華開いた文化を今後も見ていきたいと思います。