
ダンピットDampitという上の写真の楽器用保湿器を使われている方も少なくないと思いますが、これに関する簡単な注意喚起をさせていただきます。
ダンピットは、文字通り秋〜冬場の極度の乾燥から楽器を守る保湿のために使われるもので、夏場の高多湿から楽器を守ってくれるものではありません。つまり吸湿のための装置ではありません。
しかしながら、ダンピットを入れておけば安心ということだけがなんとなく頭に残ってしまい、湿度の高い季節になってもダンピットを入れっぱなしだったり、ダンピットにしっかり水を入れていたりするケースがたまに見られます。
木工ボンドで作られた低価格品以外は、およそすべての楽器はニカワという水分と熱で可塑性を発揮する昔ながらの接着剤で作られていますので、夏場のケースの中に水を含ませたダンピットを入れておくものなら、内部の水気と外からの高温で、楽器を鍋に入れているようなことになってしまいます。つまり、各部の接着を緩ませて、自動的に剥がしてしまうことになります。
そのため、春先に湿度が上がり始めたら、ダンピットはすぐに外しておかなければなりません。
どのような道具も使い方しだいでは、有益であるはずのものがかえって楽器を損ねるものとなりかねません。ぜひ注意してご利用ください!