松本伸弦楽器工房への訪問

今回の東北旅は盛岡市の松本伸弦楽器工房さんも訪問させていただきました。

以前から、ホームページなどを通じて驚くほど精緻な装飾ヴァイオリンなどを作られていることを拝見していたため、とても楽しみにしていました。

またふだんのお仕事だけでなく、花巻市にある宮沢賢治の所有していたチェロの修理に関してのお話を伺うことも大きな目的でした。
松本さんから、オーバーホールをされた際のご苦労を伺い、修理というものはやはりのちのち修理する人のことも考えながらやらなければいけないということを改めて感じました。

訪問させていただいた時にはまだ賢治のチェロは直接見ていなかったのですが、お話を伺ったことで、新たに探究してみたいことも生まれました。いずれ形にしてみたいと思います。

松本さんの装飾ヴァイオリンも本当に素晴らしいものでした。正直値段のつけようがないと感じたほどです。
弦楽器の製作には正解がないことから、それぞれの製作家が自分の「好き」を追求することで、工房や楽器の個性が生まれ、この世界をおもしろくすると感じました。

松本さんご自身、装飾も好きだからやっているとおっしゃっていましたが、これほどのものはただやろうと思ってできるものではありません。
また、私のように昔の作り方を調査を通じて形にしていくことにも誰もが興味があるわけでもないことから、やはりそれぞれがやりたいことをやれば、それだけで世界が広がり、豊かになるのだとお話を伺いながら思いました。

2枚目の写真は拙作の肩掛けチェロと松本さんのヴァイオリンです。3枚目は、松本さんにいただいた大好きな宮沢賢治の「農民芸術概論綱要」(賢治ファンなら知らない人はいませんね!)の冊子です。

盛岡にいた時間は短かったのですが、深沢紅子さんの美術館なども訪問させていただき、豊かな自然に囲まれた盛岡の空気をいっぱい吸わせていただきました。

忙しいお仕事の時間を割いて下さった松本伸さんに改めてこの場を借りて感謝申し上げます。

「好き」を追求していこう!!