先日、天野寿彦先生が工房にいらしてスパッラを試奏して下さった際に、ソロでは響くけど、他の楽器と一緒にアンサンブルの中に入ってもスパッラは響くか?という話題になりました。
私も大いに気になっていたことだったので、実はそれを試してみたいと考えていると先生に伝えたところ、実は試してみる機会がありますよとおっしゃっていただけました。
それが昨晩、足を運ばせていただいた東京の中野にあるスペース415という場所で行われている天野先生主催のアンサンブルでした。
天野先生のアンサンブルと言っても、弦楽器だけでなく、管楽器の方も参加されているとてもすてきなバロック・アンサンブルです。
その中で、先生自らヴァイオリン、ヴィオラ、ヴィオロンチェロ・ダ・スパッラを持ち替えて、アンサンブルの指導をしながら、実際の合奏の中でスパッラを使って下さいました。
私も内心ドキドキしながら聴いていましたが、思いのほかよく響いてくれて、低音としてアンサンブル全体に厚みを与えることができることを知り、素直に驚きました。
先生が譜めくりのためにスパッラを弾いていないときは、音の厚みが消えて少し物足りなく感じてしまうほどに、通奏低音の重要性と、スパッラが果たせる役割があるということを目の当たりにすることができました。
おかげ様で、ここから先のスパッラ製作にもまた弾みがつきそうです。
アンサンブルは門下生を中心に先生を慕う方々で演奏を楽しまれている様子で、演奏の後にはちょっとした晩餐もあり、私もご一緒させていただきました。
私も余裕が出てきたら奏者としても参加させていただきたいと感じるような会でしたが、その前に天野先生にスパッラの演奏を教えていただかなければならないかもしれません(!)
スペース415の芦野様、お招きいただいた天野寿彦先生、アンサンブルの皆様、貴重な経験をありがとうございます。またぜひ気が向いたときにスパッラを手にとっていただきければ幸いです。