プロ演奏家のための戦略

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Classic FM(英)のFacebookにこんな円グラフが出ていました。半ば冗談だと思いたいのですが、高い能力をもつその道のエキスパートでも、内心は大きな不安を抱えているのは、どこの業界、世界でも同じなのかもしれません。

もしこのグラフのようなことかあるのだとすると、それは演奏家が音大や音楽学校などで演奏の技術と精神性は学んだとしても、その後のプロとしての仕事の仕方については、周りを見渡しながら、多くの場合は慣例に従う仕事をしていくためかも知れないと思いました。なぜなら、弦楽器の技術者にも同じようなことがしばしば起こるからです。

演奏家になるために、マーケティングを学んだという人は珍しいケースであろうと思います。中には純然たる芸術家が、マーケティングや宣伝を学ぶのは不純だと感じている人もいるかも知れません。弦楽器の技術者も学校で技術は教わっても、実社会でどのように仕事を展開するかということについてまでは学校では教わらなかったり、あるいは教わっていても真剣に耳を傾けるにはいたらないことが珍しくありません。

私自身も物作りにたずさわる者なので、芸術とマーケティングが、どこか相容れない性質を持っているということは感じます。

しかしながら、それは表面的な売上至上主義を追求する商売が世の中には多く目につくために本来色のついていない「マーケティング」が、何か欲にまみれて見えるせいかも知れません。

演奏家のとってのマーケティングと何かと言えば、それは特別なことではなく、他のどのような仕事とも同じように、何かを必要していたり、潜在的に欲している人に(演奏家として)どのような問題解決の方法を提示できるかということに尽きるのではないかと思います。

言葉で言うのは簡単なのですが、ここから先はきっと他の仕事同様にしっかりした解決策を見出そうとするなら、演奏家本人を交えたブレストが必要になるだろうと思います。

またヒントとしては上の太字の部分にもカッコつきで(演奏家として)と書いたように、一度演奏家という枠を取り払って考えてみる必要もあるのではないかと思います。

そのために、最初の一歩として弦楽器技術者にキャリアの広げ方を相談してみるというのはどうでしょうか。弦楽器技術者は楽器のメンテナンスを頼むだけのところ、楽器製作家は楽器を注文して作ってくれるだけのところ、と思っていたらもったいないと思います。

もちろん専業の技術者もいるので、技術仕事以外は何もしませんという工房があるのも悪くはありません。しかし、一方で技術以外の知恵を持っている技術者も実は多いのに、なかなかそれを生かす形にまでなっていないように思います。もっとマーケティングについて技術者と演奏家が議論できたらおもしろいのになということです。

副業/複業/兼業が当たり前になって来る世の中で、演奏家が独自の輝きを放ち、キャリアをステップアップするには、自らを特別扱いせずに、変化を受け入れ、新しい分野にチャレンジし、自らの演奏に新しい価値を演奏家自身が与える活動、すなわち広義のマーケティングの活用も必要になってくるのではないでしょうか。