初期バロック弓とは?
初期バロック弓とは、ヴィヴァルディやバッハなどに代表されるバロック 時代の音楽を当時の演奏法に沿って演奏するのに最適な弓と考えられています。→私の体験
このタイプの弓は、別名Clip in frog(クリップ・イン・フロッグ)タイプとも呼ばれ、アジャスターがついておらず、フロッグが竿に固定される際に、フロッグ自体が弓毛に張力を与える構造になっています。モダン弓に比べるととても軽いこと、またヘッドに向かうにつれて弓圧が自然と抜けて行く弓先の軽さも特徴の一つです。
J.S.バッハも現在主流のアジャスター付きのバロック弓をおそらくほとんど見たことがなかったと考えられています。
モーツァルトの時代(〜1791年)でさえもまだアジャスターつきの弓の普及にはかなり地域差があったようです。
実は、奏法の変化に合わせてアジャスターつきの弓が定着するのはだいぶ後の時代になってのことなのです。
これは、18世紀後半に起きた産業革命と、ほぼ時を同じくして様々なネジ切旋盤(ネジを作る機械)が発明され、現代の我々が知るようなネジの大量生産が可能になったことも関係があるようです。
初期バロック弓を作る
初期バロック弓は後世にアジャスターを付け加えるような改造がされてしまい、オリジナルの状態で残っているものが非常に少ないのが実情です。
したがって当工房では残されたもののみをそのままコピーすることは意図しておりません。その代わりに、数少ない残された弓や資料を参考に、当時の音楽に応えうる弓を再現し、今日気軽に楽しめるものとして作っていきたいと考えております。
材料もモダン弓のペルナンブーコに対し、スネークウッドと呼ばれる樹種がよく知られていますが、実際には多様な材料が使われていました。
初期バロック弓を注文してみたいとお考えの方は是非お気軽にご連絡ください。
(在庫がある場合もありますので、まずはお問い合わせください)
初期バロック弓
価格 165,000円(税込)
※ヴァイオリン、ヴィオラ、スパッラ(肩掛けチェロ)、チェロ、ヴィオラ・ダ・モーレ用など、ご注文いただけます。
※ご来訪いただける方には、工房でご試奏いただいてから、ご注文を受けて製作させていただきます。材料の特性上楽器製作と並行してできないため、タイミングによってはしばらくお待ちいただくことになります。






