

昨日、オランダ在住の先輩同業者の方から、40年もののヴァイオリン、ヴィオラ、チェロなどの駒材料を譲っていただきました。
1980年代にドイツ・ミッテンヴァルトの製材業者から仕入れたというもので、当時のユーゴスラビア(ボスニア半島)産と思われる最高級の材です。購入してすぐに一部を切り出してみましたが、伐採時期も良かったものと思われ、素晴らしい材です。
小さな工房にとってはそれなりの投資になりますが、国内では探してもすぐに見つかるものではないうえ、私自身10年前に購入して使ってきた材が残り少なくなってきていたため、ちょうどよいタイミングと思い、思い切って購入させていただきました。
写真のように大きな作業台の上いっぱいになるほどの量ですが、実際にはこの中から使える部分を切り出すためすべてが駒になるわけではありません。ただ、チェロの駒材も十分とれるサイズということもあり、今後の製作に大いに役立てていきたいと思います。
駒材はメープル(楓)材が主に使われますが、こうした広葉樹材は寝かせておくことが、特に大事なため、すぐにも使える材が手に入ったことは当面の安心にもつながります。
材が乏しくなってくると、注文をお受けしようとする気持ちにもブレーキがかかってしまうため、少しずつでもよい材料を揃えていくことは、私たち製作家にとっては、素晴らしい楽譜を手に入れることと同じぐらい大切なことです。
モダン楽器で、バロックの響きに近づけた音を楽しみたいという試みもご好評をいただいていますので、一般には流通していない(特に国内は非常に種類が少ないです!)駒を使ってみたいという方はぜひご相談ください。