
昨日は他県よりお客様が見えて、モダン・チェロでバロック音楽や、ガット弦の優しい響きを楽しみたいというご相談をいただきました。
バロック・チェロのテールピースは、様々なものがありますが、ストラディヴァリの初期のものと思われるものは、ポプラの単板で作られたものがあるようですが、昔の絵画などを見ていると、そうしたシンプルなものから、指板同様に黒檀の薄板を貼り合わせたものなどもあったと思われます。また時代が下がるにつれて黒檀の単板で現代のものに近いものも出てきたようです。
しかしながらおもしろいものでテールピースのプロポーションは昔からほとんど変わっていない様子が伺えます。変わったのは駒の位置とテールガットの長さということになりそうです。
モダンのチェロの場合、いくつかの制約があるため、もちろんすべてをバロックのようにセッティングすることはできませんが、できる範囲で楽しんでいただけるように、また、いずれ最初からバロック・チェロとして作られた楽器を入手されて、セッティングを変えたモダン・チェロを元の状態にしっかり戻せるように、余計な改造をしない範囲で、節度をもって対応させていただこうと考えています。
話は飛びますが、節度と書いてみて、久しぶりにヘルダーリンの詩を思い出しました。その翼に節度を…

The Music Party 1733
National Portrait Gallery, London