疋田櫂君と肩掛けチェロ

昨日は、弱冠13歳の中学2年生である疋田櫂君に肩掛けチェロを納めさせていただきました。

櫂君が最初に肩掛けチェロを手にしたのは小学生の時でした。その時は、さすがに弾きこなせるのか少し心配になりましたが、それでもすでにその時に素晴らしい演奏の片鱗を見せてくれていたことを思い出します。

たったの2年ですが、その後体も成長した櫂君は、昨日肩掛けチェロを手に持つや否や、バッハの無伴奏チェロ組曲を弾き始めてくれました。

櫂君の演奏により、今後、肩掛けチェロなど大き過ぎる思い込んでいた多くの人が目を覚まされると思います。

彼が特にバロック音楽に情熱を持っていることもあり、私の方では今回の楽器には、新しい発見も含めてこれまでの調査の結果をふんだんに盛り込ませていただきました。

「いい音です!」とうれしそうに言っていただけたのは本当にうれしく思いました。
まだ小さな肩周りにフィットするように、革ストラップの仕様も今回は見直しました。

今後は彼の先生である天野寿彦さんと一緒にどんな演奏を聴かせてくれるか楽しみでなりません。

余談ですが、櫂君は先ごろ発表された第65回日本学生科学賞において、古典音律の研究で文部科学大臣賞を受賞されました。彼の並々ならぬ情熱に敬意を表します。

最後に今回の楽器には、彼のお父様がデザインを提供してくださった特別な駒を使わせていただきました。この駒についてはまた改めて紹介したいた思います。サポートされるご両親の思いあっての成長であることは間違いないでしょう。

疋田櫂君、そしてサポートされるご両親、いつもご指導くださる天野寿彦先生に改めて御礼申し上げます。

これからますます肩掛けチェロワールドが広がっていくことを楽しみにしています!