ここ数日の製作

2台の肩掛けチェロを同時に作り進めています。

上の写真は重ていたを横板に接着し、その後で縁に黒と白と黒の象嵌をはめ込み、エッジと呼ばれる外縁を丸めたところです。

楽器の上に置いてあるのは砥草(もしくは木賊、読みはトクサ)と言って、天然の紙ヤスリです。昔は現在の高性能なサンドペーパー(紙ヤスリ)はなかったので、自然のものをふんだんに使いました。現代でもそうした技法は随所に使われています。

テールピースも作り、ニスを塗って乾かしています。

ふだん私たちが目にする(モダン)ヴァイオリンなどは、こうしたパーツを作るメーカーがいるので、ほぼ完成したものを買ってきて付けることができますが、肩掛けチェロや昔のヴァイオリンなどはすべて楽器に合わせて1つ1つ手作りします。

そうすることで、小さなパーツも本体とバランスのよいプロポーションを保つことができます。

テールピースの後には、やはり以前に作っておいた指板をネックに接着しました。明日からはネックを削って整形していきます。

現在2台を作っていますが、その後にすぐまた2台作らなければなりません。さらにその後にはヴァイオリンのご注文をいただいているので、今年は休まずコツコツがんばりたいと思います。

探求は果てしなく、製作の技法において満足できることはありませんが、それでも一つ一つ心を込めて、皆様に楽しんでいただける楽器をお届けしたいと思います。