
製作を進めるために修理の受付は制限していますが、以前から通って下さっているお客様の楽器のメンテナンスは続けています。
歯医者と一緒で、楽器も大きな問題がなかったとしても定期的にメンテナンスをして方が長持ちすると言えます。
写真はコーナーと呼ばれる突起部分が欠けてしまった楽器の修復です。
木片のつなぎ方は、その後の塗装のやり方にも影響するため、なるべく木目に沿って真っ直ぐに木を貼り合わせたいのですが、そうすると余分に木を削らなければならないため、あえて傷口の形状に合わせて木を一部斜めに接着しました。
このようにすることで、いたずらに元の木材を削らずに残しておくことができます。形状については今回はこうだったというだけで、欠け方、キズのつき方などで直し方はケースバイケースです。
オリジナルをなるべく残すように努めるのは、今の方法は20年もすれば古い方法になってしまうかもしれないからです。その時に修理箇所を再構築できるためにも、なるべくオリジナルに影響が少ない方法を私たちは常に探ることになります。
というのが理屈ですが、なかなかいつも難しいものです。この後はニスを塗って本体に馴染ませていきます。
