関西方面に出張する道すがら

京都に向かう車中でこれを書いています。

今回は3台のバロック・ヴァイオリンと肩掛けチェロ、そしてアトリエカマタさんの弓を持参しています。

数ある中から、バロック・ヴァイオリンが選べる環境というのはまだ日本にはほとんどありません。

肩掛けチェロも同様ですが、少しずつでもそうした環境を整えることができればという夢があります。

見た目だけバロック・ヴァイオリンらしきものでよいのならば、楽器を揃えることはさほど難しくはありません。しかし実はヨーロッパの工房に行っても、安心して購入できる構造のバロック・ヴァイオリンを揃えているところは非常に少ないのが実情です。

国内外を問わず、最近はモダン・ヴァイオリンの方式によるネックと本体のつなぎ方で、外見だけバロック・ヴァイオリンに見えるように作られた楽器も多く見かけますが、日本の高温多湿の気候の中では、ほとんどのケースで時間とともにネックが起き上がり、指板が下がり、指板と弦の間を調整するために修理を余儀なくされています。

この点で、日本同様にそこそこ湿度の高い夏のあるイタリアなどで培われたバロック式のネック取り付け方法は、実は大変安定感ある工法上であり、また構造であると当工房では考えております。

今回の出張では、こうしたことを実際に皆さんに体感していただくには短いかもしれませんが、機会あればご説明させていただきたいと考えております。