失われたテノールを求めて

昨日、愛知県一宮市で工房を営まれている池尻さんから連絡をいただき、肩掛けチェロのことを記事にしてみたと教えていただきました。

池尻さんはこれまでもたくさん記事を書かれていますが、これまでのご経験に基づき、また調べたことについては出典を明記されており、本当に素晴らしいと思います。

池尻さんは今回の記事の中で、肩掛けチェロに言及する前に弦楽器の成り立ちについてふれてくださっているのですが、その点をぜひ皆さんにも読んでいただければと思いました。

器楽は、もともと人間の声部に合わせて発達をしたことはよく知られていますが、実は現代のクラシック音楽の世界ではテノールの音域をもつ弦楽器が姿を消してしまっているのです。

ヴィオラは、コントラルト・ヴィオラと呼ばれる比較的小型のヴィオラと、テノール・ヴィオラと呼ばれる大型の楽器がありましたが、今はほとんどコントラルトしか弾かれていません。

小型のヴィオラと大型のチェロの間に位置する楽器が今はないということになります。

当工房で作っている肩掛けチェロは、単に小さなチェロというだけでなく、テノールの響きをもったヴィオラとしても使うことができる(実際に歴史的にもそのような使い方もされていました)ために、いつもお客様にはぜひヴィオラ2台の曲などにも取り組んでみてくださいとお話しさせていただいています。

つまり、チェロの音域が楽しめるだけでなく、テノールの音色の発掘もできるというおいしい楽器が肩掛けチェロ(ヴィオラ)なのです♪

楽器作りを通じて当工房では引き続きテノールの役割を探していきたいと思いますが、ぜひ皆様も池尻さんの記事を通して、失われた響きに思いをはせていただければと思います。

(池尻さんの記事は下記のリンクよりご覧ください)

https://rearpond.mystrikingly.com/blog/9a359cf2e93

池尻さん、ありがとうございました!