一昨日、たまたまYouTubeで見かけたアメリカの大学における卒業式の講話で、「人生は30000日」という話がありました。
Drew Houston という実業家の方の話でしたが、彼は、大学を卒業する人たちに向けて、「あなたたちはもう人生の8000日を過ごしたのですよ!」と話しかけるのです。
多くの卒業生が20歳であることを考えると、この記事を読んでくださっている方も、与えられている時間がそう多くはないことを実感するはずです。
私自身もそう感じました。
Drewは、さらに「人生をパーフェクトにしようとするのではなく、おもしろい人生にしよう」と呼びかけます。
「完璧な人生を歩むのではなく、冒険をするために、自分を自由にしておこう」と呼びかけます。
そして、彼の祖母が好んで語っている「Exelsior」(向上心をもって!)という言葉を引用します。そのお祖母さんは、動画が撮られた時には95歳を迎えようとしていました(!)
素晴らしいお祖母さんだと思いませんか。いつでも人生には次のステップがあり、私たちは何歳になってもいつでもワクワクしながら進めるということを示してくれていると感じました。
そして、彼の講話を聞き、長年やりたい!作りたい!と思っていた肩掛けチェロが作れて本当によかったなと改めて思いました。この小さなチェロに今も日々魅了されています。
人は誰も残された時間を知りませんが、Drewの言うように準備時間も、練習も、リセットボタンもない人生は、今すぐに楽しむべきだと思うのです。それがたとえ人から見てどんなに小さなことでも、事の大小にかかわらず、自分が本当にワクワクすることに今すぐ取り掛かるべきだと思うのです。
私にとっての夢の一つは、日本中に肩掛けチェロが広まり、この不思議な楽器を持ってみんながワイワイガヤガヤ楽しむことです。そんな国は世界のどこにもないからです。
日本に行くとみんなが肩掛けチェロ弾いているよ!と外国の人たちが言い、「いいな、日本の人たちみたいに自分たちも自由なステキな音楽を楽しみたいな」と言う日が来ると思っています。
それぐらいこの肩掛けチェロという楽器は、どこか可笑しく(笑)、素敵で(!)、愛らしく、何とも比べようがないのです!
バッハのチェロ無伴奏のわずかなフレーズだけでも、この楽器でぜひ皆さんに弾いていただきたいと思います。
全曲を弾くような演奏家になるためには天賦の才がいるかもしれませんが、わずかなフレーズだけでも音楽は人生と世界の本質が調和と共鳴であることを十分に教えてくれます。
そして、音楽を共にするということはいつの時代でも、本当に落ち着ける本来の自分に皆が一緒にしかしそれぞれに立ち返るということに他ならないと思うのです。