スパッラ、肩掛けチェロ、ヴィオロンチェロ・ダ・スパッラとは何でしょうか?
私はこれを単なる音楽を奏でる楽器という以上に、演奏家・愛好家の方々を応援できる楽器であると考えています。
まだいろいろと実験段階ではありますが、その最初の一歩としてご協力いただいた丹沢広樹先生を皆さんに紹介したいと思います。
丹沢先生はバロック・ヴァイオリニストとして活動されていることを知っている方も多くおられると思いますが、バロックのみならずクラシックやタンゴなどの分野でも活躍されています。
丹沢先生のご経歴の非常に興味深いところは、多くのバロック・ヴァイオリニストにとっての最初の入り口が後期バロックであるの対し(私にとってもバロックは後期も後期のバッハが入り口でした)、丹沢先生はルネッサンス~初期バロックを最初に学ばれてこの道に入った方であるということです。
これはとてもめずらしく、お話を聞く中でも、後期バロックに比べてもまだ記譜法の確立していなかった時代の音楽をどのように読み解くかという点などについても造詣が深いと感じました。きっと丹沢先生に習われると原譜を見せていただく機会もあるのではないかと思いますが、とても興味深いので、私も一度レッスンを覗かせていただこうと思っています。
また、演奏方法という点でも、丹沢先生とネック形状のお話をさせていただいたときに、おかしな言い方ですが、このように考える演奏家の方もいるのだ!ととてもうれしく、また気づきをいただきました。
丹沢先生はネックは弓と同じぐらい重要とおっしゃっており、そのような考え方を私はしたことはなかったのですが、ただ楽器作りにおいて目指してる方向性はまさにその通りで、その点を演奏家の立場から捉えられちいることを聞かせていただきとてもうれしく思いました。
これから丹沢先生がご自身やご友人の方々の公演はもとより、アンサンブル・レッスンなどの場においてどのようにスパッラを活用されるか注目していきたいと思います。そしてまだ実験的な試みではありますが、この2020年の成果をもとに来年以降の、個人演奏指導教室の先生方のお力になれるよう頑張りたいと思います。