駒は既製品とオーダー、どちらを選べばいいですか?

弦楽器の駒は、半完成品の既製品もあれば、写真のようにゼロが切り出して作ることもできます。どのような場合に既製品を使うことができ、どのような場合に駒をデザインして切り出す必要があるのでしょうか。

駒は、デザイン、材質、幅、厚み、切り方、配置、などなど選び始めるとほとんど無限のバリエーションがあり、特にデザインがスタンダード化されていないバロック楽器では、駒選びもなかなか悩ましい課題となります。どの駒を選ぶかは、先に立っている駒が参考になる場合はよいのですが、そうでない場合はとりあえず立ててみて傾向を見てみるしかない場合もあります。

駒を新たに立てるとき、ほとんどの場合は、既製品を使うことができるのですが、切り出さないと対応が難しい場合もあります。例えば、バスバーの位置が特殊で既製品では駒の幅の対応に限度がある場合や、単純にどこにも駒の在庫がない場合、あるいは駒メーカーの木材の質とは異なる材で駒を作りたい場合、メーカーの既製品では削れる余地が少ない場合などなどです。

下の写真は、上の写真にもあるモデルですが、オリジナル駒(モノクロ画像)や既製品(デスピュー社)に比べて今回の切り出したもの(上の写真)の方が木部が多いことにお気づきになるはずです。既製品は手間がかからず、費用も少ないのがよい点ですが、逆にすでに削られ過ぎていて手を入れることが難しいことや、そのためにねらった音にもっていくのが難しい場合もあります。

今回は駒の在庫がなかったために切り出したのが主な理由でしたが、そのために材質もいったん検討することができました。既製品よりも木部を多く残したのは、後から削って調整する余地を残すためです。

モダン・ヴァイオリンだと、オーベルト社のデラックスと呼ばれる駒が最上級とされているのが多く、よい音を出すのにはデラックスでなければというような意見も時々聞きますが、実際にはすべてのケースでデラックスがよいわけではありません。上に書いたように材質、その他の点で、他の駒を選んだほうがよい場合もあるのです。とは言え、実際にはほとんどは既製品で対応ができますが、在庫などの場合も取り寄せに時間がかかる場合もあるので、駒交換を検討される場合は、早めにご相談ください。

また、駒交換をする場合はほとんどの場合、魂柱交換も必要なケースが多いので、セットで考えていただいた方がよいと思います。