肩掛けチェロ、スパッラの製作を2台進めています。
スパッラの横板はヴァイオリンやヴィオラよりはるかに高いのですが、共通した点もあります。
特にバロック楽器として見たときの特徴として、写真のように上下の板が一枚で繋がっているということがあげられます。
これは実はモダン仕様のヴァイオリンやヴィオラではほとんどなくなってしまった製作方法なのです。
それは、モダンの仕様ではネックが横板を割って本体のブロックに入ることや、裏板の虎杢模様に合わせて横板を配置することがいつからか一般的となったためです。モダンでは上の写真に見える上下の板がさらに2枚に分断されるのです。
バロックの仕様では横板は裏板と関係がある場合もありますが、どちらかというと無関係にひと綴りで巻かれてることが非常に多いのです。
個人的にはこのバロックの作りに見られる横板が全体を包み込む形がとても好きで、杢目の続いた長い横板を見るとゴージャスな気分になります。
バロックと簡単に言ってしまいましたが、より正確に言うと、バロック期にもネックのくる側の板は2枚に分断される作りをしていた地域もありました。その場合、ネックとブロックが一体になっているギターのような作りもしばしば見られました。
横板の接着が終わったら、次はライニングという楽器の外からは見えにくい部材の加工に入ります♪