イタリア、Aquila Corde社のMimmo Peruffo 氏がT. Mace の 1676年の文献より、ヴァイオリンの第一弦(もちろんプレーン(裸)ガット弦)の巻き方に関するアドバイスをFacebookでシェアされていました。あわせてテールピースのところでの結び方も紹介して下さっています。
Facebook をされていない方もいると思いましたので、こちらでシェアさせていただこうと思います。
(※掲載はPeruffo氏の許可を得ています)
まず、テールピースにガット弦を通します。
ある程度弦を引っ張り出します。
テールピースの下に来る方の弦で輪を作ります。
その輪にテールピースから先ほど出した弦の先端を入れます。
ここが少しわかりづらいと思いますが、輪を通した弦の先端を今度は、元の弦の下に通します。
さらにその先端を再び写真のように輪の中に再び通します。
これを引っ張ればできあがりで、余分なところをハサミで切ります。
できあがると下の写真のようになります。テールピースが終わったら、今度はペグの方に弦を伸ばします。
(※ガットの結び目をテールピース下に来るようにする結び方は以前にDaniela Gaidano氏の説明をブログ内で紹介してあったはずなので、ご興味ある方はそちらをご参照ください)
弦を張る前にナットに柔らかい鉛筆(6B以上)を刷り込むことをお忘れなく。
弦をペグの穴に通します。
ポイントですが、ペグにはできるかぎりガットが多く巻かれていない方がよいのです。長く巻かれていればいるほど、狂いやすくなります。かといって極端に短くしてしまっても具合が悪くなるので、試してみるしかありません。ペグに開けてある弦を入れる穴の位置は楽器によって違うので、このあたりは若干楽器によって違ってきます。皆さんの楽器に最適な少なめの巻き数を探してみてください。
通常は弦を最後まで引っ張り、ペグの穴から出した弦を元の弦の下に通して引っ張り上げます。そして、その弦先をもったままペグを回していきます。
このときにどうやら弦をナットのわきや、ナットの上面の溝ではないところに弦を置いて引っ張り、弦の指板上と、ペグボックス内でのテンションが均一になるようにするということがポイントのようです。また、最初から溝を通すことでつきがちな小さなキズを防ぐという目的もあるということです。
ただ、もちろんこの方法はナットが角なくスムースに作られていることが前提なので、まずはナットの状態を確認していただいた方がよいと思います。
上から見るとこんな感じです。
ナットの溝を避けて弦を巻いている様子です。
急いでやると弦に急な負荷がかかり切れやすくなってしまうので、ゆっくりやります。
弦にテンションがかかったら、弦を溝に落として張り終わりです。
以上ですが、ご参考になりましたでしょうか?ご参考になったようでしたら、ぜひページに「いいね!」を下さるか、メッセージをいただけるとうれしいです。
ガット弦についてさらに知りたい方は、ぜひこちらの書籍もご参照ください。
Pesruffo 氏のFacebookリンクも掲載しておきます。