ここ2週間ほどで進めてきた塗装の工程写真を並べてみました。
塗装は、色がついているニス塗りが目立ちがちですが、実は
下地づくり→ニス塗り→仕上げ
という工程の中で、時間がかかるのは下地と仕上げです。
したがって、実はニス塗りというものはレシピではなくて、工程なのです。
仮にレシピを知っていたとしても、工程を知らなければ結果を出すことはできません。
また、当工房では1600年代にもっとも一般的だったシンプルなオイルニスを作って使っているので、今回も2回しか塗装をしていません(回数はそのつどの狙いによって毎回異なります)。
何十回も薄い層を重ね塗りするアルコールを溶剤としたニスとは異なりますが、どちらの塗装法でもよい結果は得られると考えています。ただそれぞれにノウハウがだいぶ違うので、まったく別の仕事だと考えてもよいほどです。
いずれにせよ、今回は表面をツルっと磨かずに、長年の夢だったサンダラック(イタリア語でジネプロ)という名前の樹脂を使った古風なニスで生地の風合いを残して仕上げてました。この樹脂を使ったニスはイタリアにいた頃には見つけることができず、つい先日煮込んで出来たものです。亡き師匠がいたらきっと喜んでくれただろうと思います。