1台目のスパッラは、メンターであるディミトリー・バディアロフさんに敬意を評し、彼がもっとも推奨するモデルを踏襲しました。
具体的にはセルゲイ・マーロフSergey Malov さんなどが使われているタイプです。
それに対し、2台目(写真で、塗装前の白木)はより原点に近いモデルにしました。写真を見ていただくと2つの楽器の表情の違いがよりお分かりいただけるのではないでしょうか。
音もまったく違います。マーロフさんのタイプは、輝かしい音色であるのに対し、f孔の幅を広げたもう一つのタイプ(仮にクイケンさんのタイプとでも呼びます…バディアロフさんがシギスヴァルト・クイケンさんに最初に納めたチェロに近いので)は、より暗めで温かな音がします。
実はスパッラを弾くの方の中でも、求める音の方向性が様々であるということが、最近ようやく分かってきました。
今後はこの2台を工房に置き、皆さんに試奏していただき、より好まれるモデルを選んでご注文いただけるようにしたいと思います。