A very interesting article by a professor of cello in Idaho University, Miranda Wilson.
Her article is very clear and understandable.
However I think her question on violoncello da spalla ‘If these instruments were so important, why don’t more survive? Were they lost, broken, destroyed? Did they ever exist at all?’ could also have other answers than one reasoning.
The history of musical instrument is known as a history of volume after the middle of 18C. All instruments were modified or improved to acquire more and more volume. Same for cello and then only the big cello monopolize the position in big concert hall and in big orchestra.
My reasoning is ‘viola di spalla'(=little cello) couldn’t survive in those situation because they had a smaller voice and appearance of cello specialist who require only a big cello like today didn’t need a small cello. (I’m of course greatly indebated to Dmitry Badiarov about this reasoning)
The beautiful six suits of Bach could be associated with a small cello in the time of Bach so as the big cello take important post the six suits was forgot by public because people had thought that the six suits was a music for small cello and was already an old-fashioned.
Of course I’m not a scholar and I don’t have any academic ground for those arguments but I can’t ignore this reasoning which came in my mind.
アイダホ大学でチェロの教授をされているMiranda Wilsonさんの記事です。
300年にわたるバッハの難問と題して、無伴奏チェロ組曲にふさわしい楽器や演奏法についての探求の軌跡を描いてくださっています。
Miranda さんの記事はとても明快ですが、大型の4もしくは5弦でバッハの無伴奏チェロ組曲を弾くには限界があることを認めて、Dmitry Badiarovさんなどの作ってきた肩にストラップをかけて弾くチェロに運指のメリットがあることを認めつつも「それではなぜ小型の肩掛けチェロは残らなかったのか？」という疑問を提示しています。
Mirandaさんはこの疑問に答える代わりに、もしかするとバッハは「フーガの技法」で楽器を特定せずにその理想を示したように、ユートピアにある楽器を念頭に無伴奏チェロ組曲を書いたのではという推論をしています。
しかしながら、私にはどちらかと言うと、別のもっと単純な理由があったように思われます。
その鍵は、無伴奏チェロ組曲自体がカザルスが見つけるまで忘れ去られていたという事実です。そのことが小型のチェロが残らなかった理由を逆に説明しているように思います。
楽器の歴史は音量の歴史とも言われます。
大きなコンサートホール、大きな音量が必要とされるようになる中で、プロのチェロ奏者というポジションが確立し、より音量の大きいチェロの需要が増すようになる中で、音量においては勝らない小型のチェロは必要とされなくなったと思われます。
つまり、バッハの当時、無伴奏チェロ組曲は人々の間で「小型の肩掛けチェロのための音楽」と思われていたため、大きなチェロがそのパートを席巻する中で、「あれは（時代遅れの）小さなチェロのための音楽だから…」というような考えの中で、楽器と一緒に忘れ去られていったという推測ができるということです。
私は学者ではなく、この推論に何の根拠も持ちませんが、論拠がないことがその推論を否定する理由にはならないので、このような可能性がないかどうか、研究をしてくさる若い音大生や研究者が現れるのを楽しみにしています。
髙倉匠弦楽器製作工房 