昨日は弓の毛替えの日でした。
それも、初期バロック弓、後期バロック弓、モダン弓とたまたま揃っていたので、勉強にもなりました。
毛替えはやるたびに本当に難しいと感じます。
弓自体の癖やスティックの状態や質、弓の反り、奏者の弾き方、馬毛の質、湿度、自分の作業スピード…とにかくいろいろな要素を総合的に判断しないといけないので、熟達した毛替え名人になるには道は遠いいです。
毛替えに限りませんが、仕事を請け負うときは、楽器や弓を見せていただき、自分によりよくできると思うときだけ請け負います。
それでも正直に言うと毛替えだけは、これは毛替えしないといけないなと思って引き受けても、やっぱり請け負わなければよかったと思うことがあるほど、いつも難しいのです(笑)
でも、試行錯誤を繰り返し、演奏家の方が弾いてくださって笑顔になった時には本当によかった思います。
もっと自分がうまければと思いますが、とにかく神経を使うので、たくさんは請負えません。
1日に何本もこなす名人の方もいますが、大根を素早く薄切りにするには日々包丁を振るうことが必要なのと一緒で、弓毛替えの熟達は1日では成りません。
ただ基本的に製作が主である私にはそれは到底できないので、弓が来たら必至になるしかないのです。
今回も喜んでいただけてうれしかったですが、やっぱり毛替えは難しいとつくづく思いました。
とにかく気合がいります(笑)