大人の学校~武井壮さんの講義

ご覧になったことがある方も多いと思いますが、Youtubeに公開されている『大人の学校~武井壮の大人の育て方』を、別の動画を探していたときに久しぶりに見つけて、改めて見直し、大変勉強になりました。

 

音楽とは別の業界の話ですが、共通することも多いので、まだ見たことがない方はぜひご覧になってみてください。

この動画を見てから、昨日アップした自分の記事がつまらないと反省し、恥ずかしながら削除したのですが、改めて武井さんという方は大変な努力家であると同時に、現実と夢の両方をしっかりと見据えたすばらしい方だと思いました。

クラシック音楽の世界もスポーツの世界同様、食べていけるかどうかということが大変難しい世界であることは間違いないでしょう。その中で、どれだけ多くの方に喜んでいただけるかということが鍵だという意味のことを武井さんがお話されていて、自分の足元を見つめ直すきっかけとなりました。

同時に、ただ人々を楽しませるだけではなく(それだけでも十分むずかしいことですが)、自分の仕事がどれだけ子どもたちに見てもらえるか、次世代につながっているかということをもう一度確認したいと思いました。

楽器職人、楽器作りは実はとてもやりがいがある仕事です。音楽の近くで仕事ができ、演奏家を支えられる仕事です。またそれだけでなく、もっと深く隠された使命もあります。それは私の先生が教えてくれたことですが、ヴァイオリンという楽器は16世紀ごろに生まれたと考えられていますが、その製作に使われる様々な知恵は12世紀や11世紀などの昔から連綿と引き継がれてきたものであり、つまりは環境と共生してきた人々の生活の知恵の結晶なのです。楽器を作ってみればそのことが本当によくわかり、楽器には環境との共生を続けるという使命があることが自然とわかります。

つまり、楽器を作ることを通して次の世代によい環境を残していける智恵が楽器には隠されているいると思うのです。しかし、背に腹は代えられずではありませんが、楽器がただたんに金銭と交換されるモノとなってしまうと途端にそうした、モノガダリは姿を消してしまいます。

武井さんのお話は、楽器のおもしろさをどうやって伝えていこうか(説教臭くならず、…まさに昨日アップして、今日削除した記事がそんな内容でした)、ということを改めて考えさせられたのです。

私がしかめっ面をしていることで、楽器をかび臭い、説教臭いものとどこかの誰かが思ってしまったら本当に残念です。そのためには、私自身がもっと楽しんで伝えていきたいと思いました!また、何とかして楽しく伝える技術を身に着けていきたいとも思いました。変わらないと!という思いです。

武井壮さんに感謝です。