バディアロフ氏、試奏

今回、スペインにやってきた大きな目的の一つは世界的に知られたヴィオロンチェロ・ダ・スパッラの第一人者でもあり、10年来の友人でもあるバディアロフさんに私の楽器を試奏してもらい、また彼の楽器も試奏・採寸させてもらい、違いや今後の方向性見極めることでした。

コピーをせずオリジナルを作るという価値観を共有しているため、違いを認識してもどちらかに真似るということではありませんが、演奏のしやすさを追求するために細かいところのチェックを徹底的にしたいと考えてきました。

昨日のバディアロフさんによる試奏は、思わず聞き惚れてしまいしっかりした動画を撮り損ねてしまったのですが、ある程度楽器が鳴ることに自信はあったものの、弾ける人が弾くとこんなに響くのか!と驚きました。国内でも天野寿彦先生などにご試奏いただき、いけそうだと感じてはいましたが、さらに裏付けがとれたという感じです。

駒のRや指板の傾きの有無、弦高、ヴァイオリンとの演奏法の違いなどもバディアロフさんから直接確認させてもらったため、帰国後は早速皆さんと共有させていただこうと思います。

またガット弦になれていない方のために、トマスティーク弦を張っておいた方がよいということも強く実感したため、帰国後はすぐにモダン弦用のテールピース も作ろうと思います。

今回のイベント参加者の皆さんにも試奏いただき、好まれる弓の傾向についてもだんだん絞れてきました。これも帰国後にすぐにまた作りたいと思います。

自信につながる大きな収穫を得た1日でした。知り得た細部は、今注文をいただいて作っている楽器にもすぐに盛り込み、お渡しできるように努めたいと思います。