ニス塗りは料理

写真だと分かりにくいのですが、今回はあまり赤みをいれずにニスを仕上げたいと考えて、ニス塗りを進めてきました。今日でニスも3層目に入り、そろそろ終盤です。

下のもう一つの写真を見ていただくと分かるように同じニスをベースにしていても、その扱い方で色やテクスチャーは様々に変わります。ほんの少しの組み合わせの違いや、順序の違いや配合の違いなどで千変万化するのがニスです。

また次回はもっと赤いニスも使いたいなと思いますが、簡単に見えて、やはり雰囲気のよいニスを施そうとすると普段からよい楽器はもちろんのこと、よい工芸品やアンティークや絵画などを見て物の美しさと風化の美しさに目をとめておくことが大事になります。

楽器に親しみやすさを与えるために、多少の陰影を与えようとしてもふだんからよいものに目をとめていないとついついやり過ぎてしまい、何か違和感のあるものになってしまいがちだからです。できるかぎり自然の力を借りて、自然に寄り添うように音も色も作っていきたいと思います。