新たな弦、新たな挑戦

昨年から、ヴィオロンチェロ・ダ・スパッラの製作を進めていますが、ようやく白木(ニスを塗る前の状態)で完成し、ガット弦を張ったところで、アメリカから次の弦(写真上)が到着しました。

今年の挑戦は、この写真のシルクの弦をヴィオロンチェロ・ダ・スパッラを弾かれる皆様の手に届くレベルにまで、メーカーのご協力のもと、持っていくことです。

今回の開発は、Dmitry Badiarov氏のサークル内で、私とガット弦専門家のDaniela Gaidano氏、米国の演奏家・製作家Eric  Aceto氏、そしてその友人であるシルク弦メーカー Alexander Raykov氏が意見交換をしながらチームで進めてきました。すでに何度もテストを繰り返し、ガットとはまた異なるその美音に驚かされてきました。

私の役割はこの弦を国内の絹弦メーカーに持ち込んでテストすることです。すでに昨年よりメーカーと話を始めさせていただいています。

長い歴史を持つ、古くも新しい弦の登場に立ち会える機会というのはめったにありません。その意味で、今年、ヴィオロンチェロ・ダ・スパッラを入手される方は、この楽器の新たなパイオニアになるかもしれません。

塗装を終えたら、メーカーに楽器と弦を持ち込みます。