ヴィオリンチェロ・ダ・スパッラの横板削り

Amati (アマティ)などの横板を楽器の内側から見てみると、しばしば櫛刃(くしば)と呼ばれる鉋の刃を使った手仕事の跡が残されていることがあります。(上写真参照)

300年以上が経っても、弦楽器製作者の仕事には、楓(かえで・メープル)を削るのにこの櫛刃は欠かせません。欠かせないと言いましたが、実際にはなくてもできるのですが、機械を使わない手仕事では作業の速さを格段に早めてくれます。

今日はラフに高さ(幅)を切り出したスパッラの横板を削り、厚みを出しました。横板の厚みは、表板、裏板と同様に楽器を鳴らす上で、重要な役割を果たします。

また、横板は楽器のアウトラインの元となるので、美観の上でも厚みを揃えるのはとても大事な工程となります。

様々な木の癖を手に感じながら、できあがりの音を想像して作ることはこの仕事の醍醐味です。

櫛刃の鉋で削った後は、最後にスクレーパーという鉄の板で表面を仕上げます。