1周忌

時間の流れの速さに改めて驚きながら、昨日の恩師の1周忌を迎えました。

私にとって弦楽器製作をしていく上で、多大な影響を受けた人の一人がLuca Primonでした。

ルカは私の師であると同時にRenato Scrollavezza 先生の元では兄弟弟子でもあり、ルカと知り合ったのは彼がパルマの学校に3日間の連続特別講義で来てくれたことがきっかけでした。

特別講義の期間はほとんど寝ずに勉強したため、毎日目が赤かったと後でルカに笑われたことを覚えています。そうさせたのは彼の弦楽器製作への情熱であり、私はそれに触発された学生に過ぎなかったのですが…。

ルカに師事したいと思い、翌年すぐに転校し、彼が当時教えていミラノの市立弦楽器製作学校に通いました。

今、思っても彼も彼で教えることは教えても、教えてくれないことはまったく教えてくれなかったと思います。

そういうことは珍しいことではなく、教えてもらおうとすればこちらも実力と意欲を見せるしかありませんでした。学費を払っても何もしない人も教わることができるような環境ではありませんでした。むしろ家で学んだことを学校は持ち寄って見せる場ということでした。そのくせ実力がつくと今度はお互い職人らしい嫉妬に苛まれました。

私自身卒業後に講師になり、その当時のルカの気持ちが痛いほどよくわかるようになったと思います。イタリアほど、日本では気ままに指導できないという面はあるものの、本当にやる気のある人には、こちらも知らず識らずと応じますが、そうでなければやはり決められたことを教えることしかできず、他の道を勧めることも少なくはありません。

思えば、ルカのクラスではtavola rotonda (円卓)と呼ばれた年一回の厳しいミーティングがありました。その話はまたいずれ…。