ハープのガット弦製造に関する動画の紹介です。動画も興味深いのですが、私にとっては動画に投稿された無数のコメントも興味深いものでした。
コメントを読み、質の良いガット弦の供給が難しくなったことから、欧米においてさえガット弦の理解は乏しい場合が多いのを感じました。質の悪いガット弦を使った人は、最初に腐ったバナナを食べてバナナは腐ったものと思い込むように、ガット弦を使えない弦と考えるよなるケースが少なくない可能性があるとも感じました。その使えないはずのガット弦が、ものすごく長い歴史の中で実際には使われてきたのにも関わらず。またその弦を元にほとんどの弦楽器が生まれたのにもかかわらず。
過去よりも常に今の方が良いものが作られているはずという進歩史観で物事を単純化してしまうのは、残念なことです。実際に歴史は直線的・一方通行的ではなく、近代化の中で、ガット弦の技法は危機に瀕しているからです。ガット弦にかかわらず、効率化などに流されて品質を落としているものは、身の回りにもいくらでもありますね。
また、ガット弦はあくまで副産物であり、人々の生活がまずあり、そこから生まれたものです。ガット弦を作ることが、歴史の中、生活の目的であったことはないわけで、そこを間違えてはいけないと思いました。動画にくっついた多くのコメントは、人々の生活がどのようにあったかということを全く知らないのか、歴史に興味がないか、快適な生活の一面だけを見ていたいというものであるかのようにも感じたからです。
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