皆さんは練習の最中、あるいは演奏会の最中などに、楽器の音が著しく崩れてしまう経験をされたことはありませんか?
弦のイントネーションが狂うのは、場所の湿気や、演奏者の手から来る湿気のせいですが、多くの場合、裸ガット弦は湿度とともに音程を下げ、巻線弦は音程が上がってしまうという現象が起きます。
なぜこのようなことか起こるのでしょうか?
この現象について、弦の品質が良くないからという意見が時々聞かれることがありますが、原因は別のところにあるとガット弦エキスパートのDanielaが動画の中で説明をしてくれています。
シンプルなことですが、巻線は湿度を帯びて膨張しようとするとガット弦を金属の巻線が抑え込むので、弦のそのものの張りが増すの対し、裸ガット弦は湿度に呼応してただ膨張するので、上記のような音程の動きが出るということです。
これを緩和するために、メーカーは裸ガットと巻線の間に薄い緩衝材を入れたり、あるいは湿度に感応しにくくするために弦にニスを塗ったりということを試みていますが、これらの方法は比較的最近開発されたもので、歴史的なエビデンスはないようです。
昔ながらのガット弦特有の豊かな音を失わずに、湿度への対処をしていくことは弦メーカーにとっての永遠の課題なのかもしれませんね。
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