原点を探る

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弦楽器製作家として、大事にしていることが、原点を探るということです。

ヴァイオリンは材料から見れば「木」「膠(ニカワ)」「塗料」「弦」の4つの材料だけでできています。これに製作家の技術が加わり、最後に演奏家が音を発することで楽器として完成していきます。

亡き師も、弦楽器製作家の仕事を

「時に森に入り木を探し、時に図書館にこもり文献を探し、時に工房で木を削る」

と言っていました。私もそれに共感し、続けているものです。

材料のうち3つは実際に私自身も原材料から育てたり作ったりしたことがありますが、唯一弦(ガット弦)だけはなく、もっぱら勉強中です。

これら4つを深く知ることで、自分で作っていく楽器の質を少しずつよくしたり、自分では作らずに専門家に任せたとしても自分が何をしているのかということを深く知ることでき、1つ1つの工程に自信が持てるようになります。材料がよければ技術の活かし甲斐もあるというものです。

ここしばらくガット弦エキスパートのDanielaの投稿を紹介したり、彼女の日本での講演会を相談したりしているのはそうした背景があります。

今は一人で趣味のようにやっていますが、来年からは仲間を巻き込んでやっていきたいと思っています!

普段は演奏をされる方でも、そのかたわらで楽器を深く知りたいという方がいらしたら、是非いろいろなことを一緒に体験してみましょう!