12年目のヴァイオリン製作学校

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昨日、開校から13年、学科開講から12年となるヴァイオリン製作学校の卒業式がありました。

2年制の学科としては節目ともなる10期生の卒業でした。

12年学校を続けるということの中には、始めた当初は想像もできないことや、本当に多くのことがありましたが、その中で多くの素晴らしい若者に出会えたのは心から感謝すべきことであったと思います。

私は技術を教えますが、物事の見方や、成長の速度や、新しい時代への向き合い方は、常に若い人たちから学ぶことが多くありました。

昨年亡くなられた敬愛するLuca Primon先生は、自らの製作活動の傍で25年間ミラノの学校で教鞭をとってきました。私もあと13年は、自らの製作と修理とともに、技術を伝える仕事を続け、師から教わったことを私よりもはるかに優秀な若い人たちに引き渡していきたいと思います。

昨晩も多くの言葉と涙をもらいましたが、人間はお互いに相手をかけがえのない無限の可能性として感じて向き合うことで成長するのだと改めて感じました。

相手がすばらしい人になっていくと思って接すると、不思議なことですが実際に人はそう成長します。こちらも生身なので、小さなことにカチンときてそれができずに悔やむことも多々ありましたが、相手(学生)が自分の可能性を知るよりも早くこちらが相手の可能性を信じて疑わないことが何よりも大事だということを改めて感じました。

皆さんの前途を心から祝福すると同時に、学校を出た後の方が、同僚、同業の専門家として関わる時間は長くなるので、これからの関わりを本当に楽しみにしたいと思います。