テンプレート 2

ここに2つの楽器のテンプレート(元型)があります。

片方はヴァイオリン、もう一方の大きい方はヴィオラなので、だいぶ大きさは違いますが、今日、ここに書きたいのは楽器の種類についてではなく、楽器を作る上でのテンプレート(元型)の種類のことです。

写真を見ていただくとわかる通り、片方は楽器の半分の形をしていて、もう片方は楽器全体の形をしています。

どちらを使っても楽器はできるのですが、私自身は長い間、新作の楽器を作るために左側の半分の形をした〈ハーフテンプレート〉を使ってきました。理由はそのように習ったからなのですが、最近は右側の〈フルテンプレート〉の方が使いやすいと思うようになりました。

これは楽器作りにおいて何にプライオリティー(優先順位)を置くかということなのですが、ハーフテンプレートは型を反転させて形を作っていくために左右の対称性を大事にするのに対し、フルテンプレートはそれ以外のことをどちらかというと大事にするということです。

フルテンプレートが何を大事にするかということは、製作の意図によってもいくつかまた道が分かれますが、私のように昔の楽器のコピーではなく、伝統的なプロポーションでオリジナルの新しい楽器を作りたいという製作家にとっては、フルテンプレートの方が単純にプロポーションがわかりやすいということが最も大きな理由となります。

もう少し詳しくお話しすると、楽器のプロポーションは例えば横幅ならば横幅そのものを単位として見ていくので、横幅を半分にしようとすると、どうしても不必要な手間が増えてしまうのです。

また左右対称を意図することは、ある程度までは必要だとしても、人間の顔が左右対称ではないように、完全なる左右対象は楽器を作る上での必要条件ではないということもそこには含まれます。

このようなことから、ハーフテンプレートは、どちらかというとごくごく最近のものの考え方に基づくものなのだなと思えてきました。

ただ、教室の生徒さんが最初の楽器作りの学習を始める上ではハーフテンプレートのメリットもあるので、用途によって今後は使い分けたり、指導に用いていきたいと思います。